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熊野神社の池
 むかしのことです。護摩堂沼のほとりに小さな村がありました。その頃はどこの人も貧しい生活でした。この村も土地が低いので排水がわるく、作物も思うようにとれませんでした。 それでも村の人びとは熊野神社をまつり、熱心に信仰しながら農業に精出して働きました。
 隣の村では、秋になると豊年祝いのお祭りがありましたので、この村でもお祭りをすることになりました。だが大勢の人が集まっても、その時に使うお膳や茶碗などがありません。 みんなで相談して神社に祈ることにしました。
「神さま、明日使うのですが、どうかお膳と茶碗を貸して下さい」
熊野神社  そして翌朝、村の人が神社にお参りに行くと、庭にある池に新しいお膳と茶碗が浮かんでいました。
「ああ、ありがたいありがたい、これでお祭りができる」
と喜び合いました。
 無事にお祭りも終わったので、村の人たちはお礼を言ってお膳と茶碗を池に返しました。
 それから村の人たちは、お祝いやお祭りの時には前の日の夕方、
「明日何人分お願いします」
と祈りますと、翌朝必ずお願いした分が池に浮かんでいました。ところがある人が借りた物を忘れてしまって返さなかったので、それからはどんなにお願いしても、池に浮かんできませんでした。